
「化粧品の中身の多くは水でできている」
このフレーズ、みなさんも一度は耳にされたことがあるのではないでしょうか。
化粧品はさまざまな原料や成分から作られていますが、実はその大部分を占めているのが“ベース成分(基材)”です。
このベース成分は全体の70〜90%ほどを占め、水性成分・油性成分・界面活性剤に分類されます。そこに機能性成分や安定性成分などが加わることで、ひとつの製品が完成します。
中でも最も多く使用されているベース成分が「水」です。
最近では「○○%配合」など、配合率の高さをアピールする化粧品も増えていますが、実はこうした商品でも、ベースの「水」を別の原料に置き換えることで、そのような表現が可能になっていることもあります。
温泉水を使うという選択肢
本日は、弊社で水の代替原料として特に人気の高い「温泉水」についてご紹介いたします。
「温泉」といえば、日本人にとってはなじみ深く、また海外からの観光客にも魅力的な文化のひとつです。
日本各地に多くの温泉がありますが、その泉質や特徴は地域によって異なります。
弊社が採取・使用しているのは、岡山県真庭市の湯原温泉の温泉水です。
湯原温泉は1700年以上の歴史をもち、人工的なボーリング工事などを行わず、自然に噴出する源泉のみを利用している、たいへん希少な温泉です。
その湯量は毎分6,000Lにもおよび、中国地方屈指の名湯として親しまれています。
湯原温泉水の特徴と効果
湯原温泉の泉質は「低張性アルカリ性高温泉」に分類され、新しい基準では「アルカリ性単純泉」と呼ばれます。
- pH9以上の強アルカリ性で、古い角質をやさしく取り除き、肌のくすみを改善すると言われています。
- メタケイ酸を多く含み、肌の保湿や再生に効果的とされ、美肌の湯として知られています。
- 低張性であるため、体液より浸透圧が低く、刺激が少ないのも特徴です。敏感肌の方や妊婦さんでも安心して利用できる温泉として評価されています。
また、温泉地には「湯原温泉病院」があり、豊富な温泉を活用した温泉療法が実施されています。特に慢性皮膚炎(アトピーなど)に悩む方々が治療目的で訪れています。
化粧品への応用と効果
湯原温泉水は無色・無臭で、香りや色が処方に与える影響が少なく、さまざまな製品に使いやすい原料です。
もちろん、安全性試験も実施済みで、安心してご使用いただけます。
さらに、アルカリ性による古い角質の除去だけでなく、多種多様なミネラルを少しずつ含む「単純泉」であることから、保湿効果にも優れています。
実際に行った試験では、温泉水を配合したサンプルが通常の水と比べて173%の保水力を示しました。
「水」を「温泉水」に変えるメリット
一般的に使われている「水」を「温泉水」に置き換えるだけで、
製品の魅力や訴求ポイントがぐっと広がります。
「温泉」は国内外問わず高い認知と信頼があり、インバウンド向けの化粧品を開発されるお客様にもご採用いただいています。
この原料についてもう少し知りたい、この原料を使って化粧品を作りたい!
そう思っていただけましたら是非弊社へご相談ください。