どうして保湿が必要?
保湿とは、皮膚の水分を補ったり水分の蒸発を防ぐことで皮膚の湿度を保つ方法であり、スキンケアの基本です。
皮膚に水分が十分でないと、皮膚本来のバリア機能が低下してしまいます。また乾燥肌を放置していると、皮膚にある知覚神経が過敏になり、少しの外的刺激でもかゆみや湿疹などの皮膚トラブルの元に…。
保湿剤の役割と目的
皮膚の最も外側にある角層には保湿機能があり、3つの要素が関係しています。
1. 細胞間脂質
肌のうるおいを保つ最も重要なカギとなり、主にセラミド、脂肪酸、コレステロールなどの脂質が水分を挟み、何層にも重なっています。角層のうるおいの80%以上はこの細胞間脂質が守っています。
2. 皮脂
毛穴の中の皮脂腺から分泌される油脂状の物質で、角層の表面にあり、汗と適度に混ざって皮脂膜を形成し、肌全体を覆いながら保護しています。
3. 天然保湿因子(NMF:natural moisturizing factor)
その多くが遊離アミノ酸で構成される天然保湿因子は、水分を捕まえて離さない性質により、肌のうるおいを保っています。
保湿剤は、これら3要素を手助けするため、皮膚の水分が逃げないように”ふた”をしたり、皮膚に水分を与えたりする役割を持っています。保湿剤を使用することで、角層の柔軟性を保ち、角層の水分保持機能を向上させ、皮膚のバリア機能の正常化を助けます。
また、保湿剤を塗る前に水や化粧水で皮膚を軽く湿らせておくと、十分な保湿効果が得られます。健康な皮膚を守るため、季節に関係なく毎日塗ってスキンケアをしましょう。
保湿成分
化粧品において保湿成分を、「保湿剤」や「モイスチャライザー」といいます。一般的なモイスチャライザーとしてはコラーゲンやヒアルロン酸等の高分子系保水剤が有名ですが、特に吸湿性の高い水溶性の成分を「ヒューメクタント」といい、グリセリン、乳酸、ピロリドンカルポン酸ナトリウム、尿素などがあげられます。
また、「エモリエント剤」とは、皮膚表面を覆うことで皮膚からの水分蒸発を抑え、皮膚に柔軟性や滑らかさを与える疎水性の脂質成分です。天然油脂、長鎖脂肪酸、脂肪酸エステル、ラノリン、リン脂質などがあげられます。
角質の水分量が低下している場合は「ヒューメクタント」によって角質の水分量増加や柔軟性を与えるだけでなく、皮膚表面を覆い水分蒸散を防ぐ「エモリエント剤」を併用することで、より効果的に角層の水分量を保持することができます。
健やかな肌には水分・天然保湿因子(NMF)・脂質のバランスが大切です。 一言に保湿成分といっても種類もさまざまです。またローション、クリーム、オイルなど基材との相性もありますので、まずはご希望のアイテムやテクスチャなどご相談ください。