電話によるお問い合わせ

受付時間 9:00~18:00(土日祝定休)

電話をかける

コラム

column

化粧品事業者が知るべき、パッケージ表記における注意点

化粧品事業に参入する際、商品のパッケージには法令に基づいた表示義務があります。化粧品や健康食品のパッケージは、消費者に正確な情報を伝える重要な役割を担っており、誤解を招く表現や表示の欠落があれば、法令違反となる可能性があります。本記事では、化粧品と健康食品のパッケージにおける表示義務項目と、それぞれの注意点について解説します。

化粧品のパッケージに表示すべき内容

化粧品のパッケージに表示すべき項目は、「医薬品医療機器等法(薬機法)」や「化粧品の表示に関する公正競争規約」などの法令に基づいて定められています。表示義務のある項目を正しく理解し、適切に対応することが重要です。

1. 種類別名称

種類別名称とは、製品がどのような種類の化粧品であるかを消費者に分かりやすく示す名称です。「保湿液」「クリーム」「口紅」などが該当します。これらの名称は「化粧品の表示に関する公正競争規約施行規則」の別表1に記載されており、これに基づいて表示します。

注意点
表記する際には、文字の大きさ(原則7ポイント以上)や目立たせる工夫(太字、枠組み、色替え)などが求められます。

2. 販売名

販売名は、化粧品製品ごとに厚生労働省または都道府県に届け出た正式な名称です。例えば、「〇〇化粧水」や「△△リップグロス」といった名称が該当します。販売名の中に種類別名称が含まれる場合は、種類別名称の表記を省略できます。

注意点
厚生労働省に届け出た販売名を正確に記載する必要があり、誤記や未届は薬機法違反となる可能性があります。

3. 製造販売業者の氏名または名称及び住所

化粧品の製造販売業者(責任者)の名称および住所を明記する必要があります。この情報は、消費者が製品に関する問い合わせや問題があった場合にアクセスできるようにするために重要です。

注意点
記載される住所は、総括製造販売責任者が業務を行う事業所の住所を正確に表記します。

4. 内容量

内容物の量を、重量(g)、体積(mL)、または数量(個)で表示します。製品の性質に応じて最適な単位を選択し、正確な情報を提供することが求められます。

注意点
内容量が10gまたは10mL以下の場合、表示を省略できる特例がありますが、通常は正確な内容量の表示が必要です。また、表示量と実際の内容量の誤差は-3%以内に収める必要があります。

5. 全成分表示

化粧品に配合されている全ての成分を、配合量の多い順に記載することが義務付けられています。この全成分表示は、消費者が使用成分を確認し、アレルギーや肌トラブルを避けるために重要です。

注意点
キャリーオーバー成分(製造過程で極微量に残るものなど)の一部は表示を省略できる場合もありますが、基本的には全ての成分をリストに含めます。日本化粧品工業連合会の「化粧品成分表示名称リスト」に基づいて統一された表記を使用します。

6. 原産国名

化粧品の内容物を製造した事業所の所在する国名を明記する必要があります。「Made in Japan」などの記載が代表的です。

注意点
原産国表示のルールは厳密で、正確に原産国を特定できるようにすることが重要です。特に海外で製造される化粧品においては、誤解を招かないよう正確に表記することが求められます。

その他の表示義務項目

上記以外にも、以下の表示が求められる場合があります。

  • 製造番号または製造記号
  • 使用期限(定められている場合)
  • 使用上および保管上の注意
  • お問い合わせ先
  • リサイクルマーク(識別マーク)

これらの情報は消費者にとって製品の安全使用や廃棄方法を示す重要な項目です。

健康食品のパッケージにおける表示義務

健康食品、特に栄養機能食品についても、表示義務項目が定められています。化粧品と同様、食品表示法や容器包装リサイクル法に基づいて適切な表示が求められます。

1. 名称

商品の内容を具体的に示す名称を表示します。例えば、「ビタミンCサプリメント」など、製品の主要成分を反映した名称を記載します。

2. 原材料名

使用されている原材料を重量順に並べて記載します。添加物については、「/(スラッシュ)」で区切り、他の成分とは分けて記載する必要があります。

3. 内容量

内容量はグラム(g)、ミリリットル(mL)、または数量(個)で表示します。製品の形状や特性に合わせて最適な単位を選択します。

4. 栄養成分表示

栄養成分や機能を持つ成分については、その含有量と効果を表示します。表示された栄養成分に基づき、適切な摂取方法や注意事項を記載することも重要です。

表示義務以外の任意項目

表示義務がないにもかかわらず、パッケージに記載されることが多い項目としては、「使用方法」や「摂取方法」などがあります。これらは消費者にとって製品を正しく使うために役立つ情報です。

例:

  • 【使用方法】適量を手に取り、乾燥した部分に塗布してください。
  • 【摂取方法】1日2粒を目安に、水またはぬるま湯でお飲みください。

まとめ

化粧品や健康食品のパッケージ表示は、消費者にとって重要な情報を提供する役割を担っており、法令に従った正確な表記が求められます。特に、化粧品事業者は「医薬品医療機器等法(薬機法)」や「食品表示法」などの規定を理解し、表示義務項目を適切に反映させることが必須です。

表示内容の不備や誤りは、消費者の信頼を損ない、法的リスクを招く可能性もあります。そのため、常に最新の情報を確認し、正確かつ適切なパッケージ表示を行うことが、化粧品ビジネスの成功につながります。